常日頃から様々な競技を観戦していますが、プロ野球選手のスポーツネックレス(磁気ネックレスを含む)着用率は非常に多く、約3人に1人くらいが着用しているイメージがあります。
アスリートたちがスポーツネックレスを着用する理由は、商品の機能面を気に入り着用している、広告・宣伝目的で着用している、知り合いにお願いされて着用している等、様々。
スポーツネックレスの機能面も「パフォーマンスアップ効果」「リカバリーアップ効果」等、メーカーやブランドによって多種多様です。
それでは、プロ野球選手が愛用しているスポーツネックレスのメーカーやモデル、効果等を紹介していきたいと思います。
ファイテン
【ファイテン(phiten)】はスポーツネックレス業界のパイオニア的存在で、「スポーツネックレス=ファイテン」というイメージを持っている人も多い有名メーカーです。
数多くの競技のトップアスリートが着用していますが、その中でも陸上選手やバドミントン選手、そしてプロ野球選手に愛用者が多い印象がありますね。
現在公式サイトに載っている契約アスリート(プロ野球選手)は糸井嘉男選手(阪神)、髙山俊選手(阪神)、藤浪晋太郎投手(阪神)、丸佳浩選手(巨人)、山田哲人選手(ヤクルト)、大瀬良大地投手(広島)、角中勝也選手(ロッテ)となっています。
薬液を使わずに金属を水溶化するファイテンの独自技術「アクアメタル技術」。特にチタンを水溶化した「アクアチタン」はファイテンの根幹ともいえる技術です。
ファイテンのネックレスにチタンやアクアチタンが採用されている為、「チタンネックレス=体に良い」というイメージを持っている人が多いですが、ファイテンのネックレスはチタンを採用した上で特殊な電気加工を施す事で効果を生み出しているのであって、チタンネックレスだから効果があるわけではありません。
金属アレルギーを起こしにくく価格変動が穏やかで、電気加工との相性が良かった事がチタンを選んだ理由であって、チタンそのものに何らかのポジティブな効果があるわけではありません。
公式サイトに記載されているアクアメタルの効果は「カラダを本来のリラックス状態に導く」「心身のバランスを最良に保ち自然治癒力を上げる」等。
多くのスポーツネックレスにも言える事ですが、商品の効果説明が抽象的なのは薬機法(旧薬事法)に配慮しているからです。
正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」。
医薬品や医薬部外品、化粧品以外の製品は、人若しくは動物に対して○○に効くや○○が治る等の効果効能を標榜してはいけないという法律。
ただし、アクアチタンを含むアクアメタルについて医科学的に探求している「アクアメタル研究会」は、「神経調節を介した緊張緩和効果」や「筋・腱機能の回復効果」が期待できるという研究論文を発表しています。
このアクアチタンとその他のアクアメタルを組み合わせた「メタックス」という技術に現在メーカーはもっとも力を入れていて多くの新商品をリリースしています。
効果(メーカーはサポート力という表現をします)においても、これまでの最高モデルだったアクアチタンX100と同等以上のものが期待できるとの事です。
プロ野球選手に人気のモデル
RAKUWAネック EXTREME クリスタルタッチ
メタックス採用シリーズ「EXTREME PERFORMANCE GEAR(エクストリーム パフォーマンス ギア)シリーズ」の高級モデル。
2019シーズン、プロ野球選手が着用していたファイテンネックレスではこのモデルを一番よく見ました。
数珠のような球パーツには水に強く軽いアクリル素材を採用し、留め具には同じく軽量でアレルギーを起こしにくいアルミ素材が使われています。
RAKUWAネック メタックス ミラーボール
細めのループに純チタン製の球形留め具というシンプルなデザインが人気となり、現在でもファイテンネックレスの中でトップクラスの人気を誇る定番モデルです。
以前はアクアチタンX100採用モデルでしたが、メタックス採用へとリニューアルされ着用アスリートが増えてきています。
短めのミラーボールと少し長めの別のファイテンネックレスを重ね着けするのもおすすめです。
RAKUWAネック メタックス(チョッパーモデル)
ミラーボールと同じくシンプルなデザインが受けて、元々ファイテンネックレス全体でも一二を争う人気モデル。ミラーボールと同時期にメタックスモデルへとリニューアルされました。
カラーは通常カラーと限定カラーが販売されていますが、個人的には紐部分に「66ナイロン」を採用したブラックカラーがおすすめ。66ナイロンは非常に強度が高く耐久性にも優れているのでタフに使用しても毛羽立ちや毛玉ができにくくスポーツ時の使用に適しています。
留め具と接合部には純チタンが採用されており、金属アレルギーの心配も少ないのもプラスポイント。
その他にも数多くの種類がありますが全ては紹介しきれないので、アドバイザリー契約を結んでいる山田選手や丸選手のページなどを参考にしてもらえればと思います。
メタックス採用ネックレスはトップアスリートが使っている高級モデル以外にもたくさんの種類があり、安いものなら2,000円程度から購入可能です。
ファイテンの商品は中国でつくられた偽物(コピー品)が大量に流通しているので購入時には注意してください。
AXF(アクセフ)
【AXF(アクセフ)】は「株式会社テイコク製薬社」と「サンフォード株式会社」の共同開発によって数年前に設立されたまだ若いブランドです。
ブランド設立当初から巨人・坂本勇人選手やオリックス・山岡泰輔投手、山本由伸投手等の人気選手が着用した事で有名になり瞬く間に人気スポーツネックレスの仲間入りを果たしました。
広告・宣伝戦略の巧みさと同時にカジュアルな見た目と買いやすい価格設定も人気が出た理由だと思います。
「集積機能性ミネラル結晶体(Integrated Functional Mineral Crystal)」、通称「IFMC.(イフミック)」という溶出液が含浸された素材に接触する事で「皮膚温度の上昇」「血流増加」「体幹・バランス強化」等の効果が期待できるとの事。
これらの効果の一部については「一酸化窒素」によるものという事が東京都市大学の「ミネラル結晶体研究センター」の研究で分かったようです。
体幹やバランスが強化される部分については筋肉や腱の中にあって姿勢・運動の調整に重要な働きをしている「筋紡錘」や「腱紡錘」にIFMC.が何らかの影響を与えているという説が有力です。
プロ野球選手に人気のモデル
AXF COLOR BAND(カラーバンド)
ナイロンと天然ゴムでできた紐状のネックレスです。ブレスレットや髪留めとして使用している選手もいます。
カラーバンドのバリエーションは、リフレクターと呼ばれる反射部分がついた「COLOR BAND(REFLECTOR)」とリフレクターはなく紐の一部に”axisrirm”というロゴがプリントされた「COLOR BAND(LOGO)」の2種類です。
2020年には、リバーシブルカラー(表が黒、裏が白)のトップ部分にシリコン素材を採用し、長さも通常よりやや短い(45cm)「COLOR BAND RS」も発売されました。
AXF×BELGARD シリコンネックレス
こちらはAXFと野球用プロテクターの製造販売で有名なベルガードファクトリージャパン株式会社の共同開発商品。共同開発商品には「XB」マークがついています。
カラーバンドとの違いはデザインと素材。こちらのネックレスにはシリコーン素材が採用されています。
シリコーンは長時間水に漬けても吸水量が1%ほどという極めて耐水性に優れた素材なので、屋外スポーツや汗をかきやすいスポーツ時でも問題なく着用できるところが良いですね。
コラントッテ
【コラントッテ(Colan Totte)】は「健康を主体に、皆様の心からの笑顔が得られる製品を提供する」を基本テーマに掲げ、永久磁石を用いた医療機器の磁気ネックレス等を製造・販売している企業です。
磁気ネックレスのジャンルでは圧倒的な支持を得ており、大枠の健康ネックレスのジャンルにおいても現在ファイテンの人気を二分している有名メーカーです。
現在公式サイトに載っている契約アスリート(プロ野球選手)は内川聖一選手(ヤクルト)、甲斐拓也選手(ソフトバンク)、菊池涼介選手(広島)、梅野隆太郎選手(阪神)、北條史也選手(阪神)、杉谷拳士選手(日本ハム)となっています。
コラントッテのネックレスは全て管理医療機器であり、効果・効能は「装着部位のこり及び血行の改善」。医療機器以外の商品では人体に対する効果効能を謳うと薬機法違反になりますが、コラントッテのネックレスは上記の効果を謳う事が許されています。
さらにコラントッテの磁気ネックレスは独自技術である「N極S極交互配列」を採用しているので、より広範囲に点ではなく面での効果が期待できます。
コラントッテアイテムを愛用しているプロ野球選手の多くがこのリカバリー・ケア効果を期待して着用しているとコメントしています。
プロ野球選手に人気のモデル
TAOネックレス AURA
コラントッテのフラグシップモデル(企業の商品やブランドの中で最上級、最高級のもの)が「TAOネックレス」シリーズ。その中でもトップデザインが非常に印象的なモデルです。
コラントッテネックレスを愛用しているプロ野球選手のほとんどがこの「AURA」を着用しており、カラーやタイプの異なるものを使い分けています。
TAOネックレスシリーズが他のコラントッテモデルと異なる点は55mTの磁石を10ミリ間隔に配置した「全周タイプ」の磁気ネックレスである事。
ひとつひとつの磁石ではもっと強力な商品はたくさんありますが、全周タイプである事により、より広範囲からこりや血行改善にアプローチする事ができます。
TAOネックレスシリーズではこのAURAとシンプルなデザインのRAFFIが特に人気があるモデルです。
それぞれカラーバリエーションやコンパクトタイプ等もあるので興味がある人は別記事を読んでみてください。
プロ野球選手にはTAOネックレスシリーズが人気ですが、一般にはもう少し値段が安い「クレスト」や「クレストR」が大人気で、楽天市場やYahoo!ショッピングのランキングでも常に上位に位置しています。
コラントッテネックレスもファイテン同様偽物が多いので注意してください。
マルタカ・パルス
【マルタカ・パルス】は1964年設立の健康関連機器企業で、磁気治療器や交流磁気治療器、美容関連機器などを製造・販売しています。
メーカー名をあまり聞いた事がないという人も多いと思いますが、女子野球の協賛社を務めたり野球関連のイベントにも参加しているのでコアな野球ファンの方は知っているかもしれませんね。
以前から近藤健介選手(日本ハム)や岡大海選手(ロッテ)、桑原将志選手(DeNA)らが愛用していましたが、2019年度から亀井善行選手(巨人)が着用した事で一気に知名度が上がり、球場でも老若男女問わずこのネックレスを着用しているファンをよく見るようになりました。
このメーカーのネックレスタイプはコラントッテと同じ医療機器の磁気ネックレスとなり、効果・効能は「装着部位のこり及び血行の改善」。永久磁石には最も強力なネオジム磁石が使われています。
それに加え、ネックレスに内包されている天然鉱石が持つ固有の振動や磁石から発する振動によってバランス保持の向上等の効果も実証されています(桜美林大学・阿久根英昭教授と共同研究開発)。
このあたりの説明をすると長くなるので興味がある人は亀井選手の記事を見てみてください。
プロ野球選手に人気のモデル
V×4パワーネックレスネオプラス
マルタカ・パルスはミズノやヨネックスといった有名メーカーとのコラボアイテムをリリースしていますが、自社から販売しているスポーツネックレスはこのアイテムだけです。永久磁石には180mTの強力ネオジム磁石を採用。
ショッピングサイト等を見ると、トップの形状が2種類あるのに気づくと思いますが、これは後ろで着脱する旧タイプと前で着脱する新タイプが混在しているからです。
基本スペックは変わらないのでトップの形状や着けやすさ、カラーバリエーション等で好みのものを選ぶとよいでしょう。
SEV(セブ)
【SEV(セブ)】は1978年から「お客様が体感できること」を開発の基本コンセプトとして、研究・開発をスタートした独自の特許技術を使用したブランド名や技術の総称。カー用品として知っている人も多いかもしれません。
このブランドのネックレスも様々な競技のアスリートに愛用されていますが、特にバレーボールや陸上競技、自転車競技等の選手に人気があります。
プロ野球選手では前田健太投手(ドジャース)や澤田圭佑投手(オリックス)らが着用しています。
SEVネックレスの効果についてですが、メーカー説明を簡潔に説明すると「天然鉱石と数十種の金属を組み合わせて作ったSEVの素材には、本来ヒトやモノが持っている性能・性質を体感できるくらいまで引き出す効果がある」といったものになるかと。
非常にアバウトな説明ですが、これも薬機法への配慮でしょう。
その他、マラソン選手として有名だった藤原新氏はSEVの電子的作用が、持久力に大きく関係しているミトコンドリアの活性化に繋がると考えていたようです。
激しい練習等でプラスイオンに傾いた身体に天然鉱石から発せされるマイナスイオンを取り込ませる事で心身のバランスを整えるというイメージなのかもしれませんね。
そう考えると持久力系のスポーツで愛用者が多い理由がなんとなく分かる気がします。
プロ野球選手に人気のモデル
SEV セブルーパー type3G
素材はアルミ合金とシリコンで、3本のループカラーを選べるスポーツネックレスです。
SEVネックレスを愛用している他競技のアスリートはアスリートレーベルの「メタルレール」や「メタルバーチカル」を着用している選手が多いですが、プロ野球はこの「ルーパーシリーズ」を着用する選手が多いです。
ルーパーシリーズはデザイン性の高さから一般人にも人気があり、この「SEV セブルーパー type3G」や、ループが1本の「SEV セブルーパーtypeM」がよく売れています。
他のスポーツネックレスに比べると全般的に値段が高いのでスポーツ時に細部までお金をかけられる人用のアイテムだと思います。
その他
上で紹介した主要メーカー・ブランド以外にもプロ野球選手が着用しているスポーツネックレスは数多くありますが、着用している選手が多くても広告・宣伝目的が主で数試合しか着用しないケースが多かったり、個人的に値段設定や商品説明に納得できない商品(特に宗教的・スピリチュアル的なもの)は除いています。
その他のメーカーとしてはネックレス着用者は減ったもののブレスレットでは着用者が多い「バンデル」や同じシリコン系アイテムをリリースしている「アビリス」、体幹系ネックレスとして知名度が上がってきた「コアフォース」、最近は着用選手を確認できませんが中日ドラゴンズのファンアイテムもつくっている「コランコラン」、広島カープや西武ライオンズに愛用者が多い「846YAJIRO」あたりが挙げられるでしょう。
まとめ
以上が、プロ野球選手愛用のスポーツネックレス(磁気ネックレスも含む)です。
プロ野球選手は「ファイテン」「AXF」「コラントッテ」「マルタカ・パルス」「SEV」等のネックレスを愛用する選手が多いですね。
毎年たくさんの試合を見ていますが、ここ数年で一番の変化はAXFを着用する選手が増えてきた事でしょうか。
短期間しか着用していない選手もいますが、年単位でAXFを着用する選手も増えてきたのでブランドの知名度向上に大きく貢献していると思います。
長年スポーツネックレスを販売してきましたが、今後ヒット商品になり得るネックレスは「10,000円以内で購入可能(できれば5,000円以内)」「スポーツシーンだけでなく日常でも着けられる派手すぎないデザイン(地味過ぎても駄目)」「大学と共同研究をするなど、効果を客観的に証明している」「トップアスリートが長いスパンで愛用している」等の条件を満たす必要があるでしょう。
特に最後の条件は非常に重要です。
現在アスリートがスポーツネックレスを着用しているのは以下のような理由ではないでしょうか。
- そのアイテムを本当に気に入っていて、自分で買ってでも使いたい
- そのアイテムが気に入ったので使いたいと思っているが、お金を払う気はなく、できれば宣伝料もほしい
- そのアイテムに特に興味はないが宣伝料だけはほしい
- メーカーやブランドに知人がいるので宣伝してあげたい
日本の野球界は用具を無償で提供するのが一般的らしいので1の形態は珍しいと思います。
以前山田哲人選手が「ドナイヤ」というメーカーの市販品グラブを自分で買って使っていた事が話題になりましたが、自分でお金を払って用具を購入するというのはレアなケースなんでしょうね。
何かのテレビ特集で、ある球団の若手選手が用具を無償で提供してもらうのをさも当然のような態度でメーカー側に接していたのには驚いたものです。
山田選手のようなスター選手は、大手の用具メーカーと契約を結び、特注品を無償で提供してもらうのが普通ですが、山田選手はグラブのみ、ある小さなメーカーのものを愛用。
そのグラブメーカーとは、東大阪市の「ドナイヤ」。
社員は、社長の 村田裕信(むらた・ひろのぶ)さん・43歳の一人だけ。工場への発注から営業・販売・発送まで、すべて村田さんが行っている個人経営の会社です。
「うちは大手と違って、無償提供はしませんし、プロ用の特注品も作りません。ドナイヤを使っている選手は、皆さん、市販品を自費で買っていただいてます」
という事で、ほとんどのプロ野球選手は2~4の理由でスポーツネックレスを着用していると思われます。その中でも2の形態が一番多いのではないでしょうか。
年単位という長いスパンでそのメーカー・ブランドのスポーツネックレスを愛用していて、なかにはアドバイザリー契約を結んだりと、選手にとってもメーカーにとっても、そしてファンにとっても良い形態なのかなと思います。
応援している選手と同じものを着けたくて、けして安くはないスポーツネックレスをせっかく買ったのに、広告・宣伝が主な目的で数試合でまた違うメーカーやブランドのものを着けているとなったらあまり良い気はしませんよね。
種類やカラーはともかく、メーカーやブランドを数試合毎にとっかえひっかえして、その度にメーカーと一緒にSNS等で宣伝するような選手よりも、個人的には自分の選んだものを長い間愛用する選手の方が好きです。
スポーツネックレスを購入する際、商品自体のデザインや機能が気に入った場合はもちろんその商品を購入すれば良いと思いますが、もし好きな選手と同じものを着けたい人はそのあたりにも注目してみてください。