意外かもしれませんが、スポーツネックレスや磁気ネックレスといった健康ネックレスの業界は中小企業が大きなシェアを占めています。
ファイテンやコラントッテ等がその代表格ですが、ファイテンの資本金は3,000万円、コラントッテの資本金は1,000万円とそれほど大きな会社ではありません。
それでも健康ネックレスといえばファイテンやコラントッテを思い浮かべる人がたくさんいるくらい圧倒的な知名度を誇っています。
資金の余裕があまりない中小企業でも十分戦えるので、健康ネックレス市場に新規参入してくるメーカーは後を絶ちません。
TDK株式会社とは?
中小企業が頑張っている業界ではあるものの、巨大企業が全く参入していないわけではなく、例えば家庭用磁気治療器のピップエレキバンやピップマグネループで有名なピップ株式会社は資本金3億円弱、売上高約1,900億を誇る大企業です。
そして、このページで説明する『TDK株式会社』は資本金300億円、売上高は連結で1兆円オーバー、従業員は連結で10万人以上という日本屈指の巨大企業。
一般の方がTDKと聞いてまず思い浮かべるのは加湿器かもしれません。
少し前までよくテレビのCMで「TDK加湿器リコールのお知らせ」が流れていましたよね。そのTDKです。
TDKは加湿器メインではなく、1935年に世界ではじめて磁性材料フェライトを工業化し、以降「フェイライト素材」「磁気テープ」「積層部品」「磁気ヘッド」という世界に誇る四大イノベーションを確立した世界屈指のエレクトロニクスメーカーです(現在は電子部品大手で磁気ヘッド外販では世界トップ)。
社是は「創造によって文化、産業に貢献する」、社訓は「夢、勇気、信頼」。
TDKを設立した東京工業大学の加藤与五郎、武井武の両博士が発明した、酸化鉄を主成分とするセラミックスの総称。
強磁性を示すものが大半であり、磁性材料として広く用いられている。
酸化鉄を主成分とする為コストパフォーマンスに優れており、現在でも重量ベースでの生産量は磁石全体の中で最も多く、広い用途分野に普及している。
磁石を知り尽くしたTDKがつくる磁気ネックレスEXNAS(エクナス)
画像:TDK公式サイト
2017年のセグメント別売上高構成比を見ると約3割が磁気応用製品。現在でもTDKの中核は「磁性技術」である事が窺い知れます。
そのTDKが80年を超える歴史の中で培ってきた磁性技術のノウハウを結集させ独自技術で開発したのが磁気ネックレス「EXNAS(エクナス)シリーズ」です。
TDKは1976年~2012年まで磁気ネックレスを「エポール」ブランドで発売していたので、再参入という形になりますね。
「装着部位のこり及び血行の改善」の効果を謳える管理医療機器
画像:TDK公式サイト
現在発売されているのは『EXNAS(エクナス)D1』。管理医療機器の認証を受けた磁気ネックレス(認証番号:230AGBZX00015000)で効果・効能は「装着部位のこり及び血行の改善」。
シリコーン素材+160mTのネオジム磁石を採用
メーカー発表の「デザイン・機能の特徴」は以下のとおりとなっています。
- 肌ざわりがやわらかく、お手入れ簡単なシリコーンループ
- 細い直径約 3.4mm
- 軽い、総重量わずか約10g(42cm)※50cm は約11g
- 両サイドから取り外し可能
- 小型 /強力な TDK製ネオジム磁石を採用
- ネオジム磁石は重希土類フリーなNEOREC 47HFを使用
- 4種類のカラーバリエーション
- ビジネスシーンでも目立たない、さりげないデザイン
とりあえず特徴といえそうな点を書き並べた感じですね。
どうでもいい部分も多いので僕が注目する部分をいくつか挙げてみたいと思います。
まずネック部分に採用しているシリコーン素材。
シリコーン素材は長時間水に漬けても吸水量が1%ほどと耐水性に極めて優れた特性があり、さらに耐熱性や耐寒性、耐候性にも優れている使いやすい素材です。
水洗いもOKの手軽さや水に触れたり汗をたくさんかくようなスポーツ時でも着用できる事が大きな特徴です。
次はループの直径が3.4mmと細めで総重量が約10g(50cmは11g)と非常に軽量。
スポーツ時(特に運動量が多い種目)には軽いネックレスが一番です。ループが細めで首への違和感が少ないのも好印象。重めのネックレスが苦手な人にはかなりおすすめできます。
一般的なフェライト磁石の3倍以上の磁束密度を持つ、TDK製のネオジム磁石を採用。
ネオジム磁石はネオジム、鉄、ホウ素を主成分とする希土類磁石の一つで、永久磁石の中で最も強力とされており、小型でも強力なネオジム磁石を採用しているからこそ、大幅な軽量化が可能になっています。
重希土類フリーという部分については、貴重なレアアース資源であるジスプロシウムとテルビウムを使わないエコな磁石という事だと思うので、重希土類フリーかフリーでないかは商品の効果には関係ないでしょう。
最大磁束密度160mTのTDK製ネオジム磁石を12個(6群)を、2個の磁石を同極配列したTDK独自の磁石配列構造(特許出願中)で配置。
画像:TDK公式サイト
磁気ネックレスにとって磁石の配列は非常に重要で、コラントッテなら「N極S極交互配列」、ファイテンなら「SN直列配列」と、各メーカーが自社の配列の良さを説明し、独自性をアピールしています。
TDKのネックレスはこの独自磁石配列構造によって磁気が立体的に広がるようですね。この独自の磁石配列はTDKのコア技術であるシミュレーション技術によって実現したとの事。
TDKのシミュレーション技術は、製品の構造や熱、電磁界の解析を得意としており、超微細技術を正確に解析する精度を誇る。
他の商品の真似をするのではなく、資金や時間がかかっても「独自技術」にこだわる点は、初代社長である齋藤憲三氏の理念「世の中にまだ存在しない価値を素材レベルから創り上げる」を受け継いでいるからかもしれません。
デザインに関しては人によっていろいろな意見があると思いますが、個人的には非常にシンプルでスッキリしているなと思いました。
ブラックカラーなら日常シーンでも違和感なく着けられますし、ホワイトやレッド、ブルーはスポーツ時に映えそうです。
最後は値段ですが、メーカーが直接販売しているAmazonで9,000円弱となっています。
スペック的によく似た(160mTの磁石を8個)コラントッテの人気アイテム「コラントッテ ネックレス クレスト」よりやや安価ですね。
この価格帯の磁気ネックレスは需要が高いにもかかわらず、クレストとクレストRの独壇場のような状態だったのでいいところを突いてきたなと思いました。
まとめ
以上が世界的な企業であるTDKの磁気ネックレス「EXNAS(エクナス)D1」の概要や効果、特徴です。
資金力や研究設備、磁気製品に対する豊富なノウハウを持つTDKが製造・開発したネックレスなので、間違いなくトップクラスの品質を誇る商品ではないかと。
ただ、この商品を知っている人はまだまだ少ないと思われます。というよりスポーツネックレス関係者以外では知らない人がほとんどかもしれません。
中小や個人はブランド立ち上げ時や新商品発表時にはトップアスリートや芸能人等を使ってガツガツアピールしますが、大企業だけあって品位を大切にしているのか宣伝が非常におとなしい・・・(TDKさんせっかく良い物を作っても周知させなきゃ意味がないですよ 笑)。
値段の割に素材にも良いものを使っていますし、磁石もネオジム採用で磁束密度は申し分なしと、コストパフォーマンスは非常に高い商品です。
今後この商品を知る人が増えれば、磁気ネックレス全体の中でも人気商品になる可能性は十分にあるでしょう。
人と同じものを着けるのがあまり好きではない人や知名度よりも中身(素材やスペック)の方が大事という人にはかなりおすすめできる商品です。