『体幹』という言葉はフィットネス関連で10数年ほど前から使われるようになった言葉で、広義の意味は「体の幹、胴体の部分」、狭義の意味では「腹腔という部分を囲む、横隔膜、多裂筋、腹横筋、骨盤底筋群の4つの筋肉」を差すようです。インナーマッスル、ローカル筋とも呼ばれていますね。
この体幹を鍛える事は様々なポジティブな作用を生み出しますが、その中にはバランス能力向上という効果もあります。「体幹=バランス」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
バランス能力が向上する事で体勢が崩れにくくなったり、崩れからすばやく回復する事ができるので、体幹強化はコンタクトスポーツを中心に半ば必須のトレーニングになっています。
ノンコンタクトの状態でも、例えば野球ではピッチャーの投球姿勢の安定や守備時のアジリティ向上の為に、卓球では戻りの速さ(速いラリーに対応可能)や手打ち解消の為に体幹トレーニングを行う選手が増えています。
その他、体幹強化はスポーツだけでなくお年寄りの転倒防止等にも重要視されていますね。
さて、この体幹を鍛えるには「レッグエクステンション」「サイドレッグツイスト」「フロントブリッジ」等、様々なトレーニングがあります。
それぞれ負荷がそれほど高くはなく誰でも続けられそうなものですが、今の時代に求められているのは早く簡単に目的を達成する事・・・。
『体幹・バランス強化系スポーツネックレス』が人気の理由はその部分でしょうね。
現在、一昔前に流行した「パワーバランス」のように体幹を強化しバランス能力を向上させる商品に再びスポットライトが当たっています。
それでは人気のメーカーや商品を紹介していきたいと思います。
AXF(アクセフ)
AXF(アクセフ)は、大阪府大阪市港区に本社を置く「株式会社テイコク製薬社」と岐阜県岐阜市北鶉に本社を置くアパレルメーカー「サンフォード株式会社」の共同開発ブランドです。
AXFが製造・販売しているネックレスは、2018年頃から有名プロ野球選手(坂本勇人選手や松坂大輔投手等)が愛用している事で注目を浴び、今ではアマチュア、プロ問わず数多くのアスリートが着用する人気スポーツネックレスになりました。
最近ではWRMで紹介され、卓球界でも大人気になっているようです。
AXFのネックレスはIFMC.(イフミック)という、鉱物や水、温泉水を特定の配合・比率で組み合わせた特殊な溶出液をネックレスの素材に含浸する事で「体幹・バランスの強化」や「血流増加」等の効果が期待でき、AXFが東京都市大学と共同で開設したミネラル結晶体研究センターの資料では「鎮痛効果」等も記載されていました。
人気商品
AXF COLOR BAND(アクセフ カラーバンド)
紐部分の素材はナイロン60%、天然ゴム40%(リフレクター部分は合成皮革)。
リフレクターという反射部分がついた「Color Band(Reflector)」とリフレクターなしで紐の一部分に”axisrirm”というロゴがプリントされた「Color Band(Logo)」の2種類が販売されています。
サイズは約51cmのワンサイズのみ。留め具等はなく上から被って着用するタイプです。
ポリエステルやナイロンを使ったネックレスは雑菌の繁殖による悪臭の心配がありますが、この商品には「NANOFINE加工」という抗菌処理が施されているので臭いが出にくいつくりになっています。
AXF×BELGARD(アクセフ×ベルガード) シリコンネックレス
素材にシリコーンゴムを採用したAXFと野球用プロテクターで有名な「ベルガードファクトリージャパン」の共同開発商品です。
サイズは約54cmのワンサイズのみ。
今後は不明ですが、現状は楽天市場、ヤフー等では販売していないようです。
BANDEL(バンデル)
BANDEL(バンデル)は静岡県藤枝市に本社を置く、スポーツ用品、健康器具、美容健康器具等の製造販売会社です。
平成22年に設立以降、10代~30代前半の人に特徴的なデザインが支持されて人気スポーツネックレスメーカーの一角を担っています。
現在は採用技術について「最先端のジャパンテクノロジーを駆使して開発された」としか説明されていませんが、昔の資料を見ると「天然鉱石が混ぜられたゴムを特殊技術で加工する事により鉱石の効力を増幅させ、体のバランスを整えパフォーマンスを高める効果がある」と書かれているものがあったので、天然鉱石を練り込んだり焼き付けて効果を生み出すタイプとなります。
薬機法に配慮し個別具体的な効果は謳っていませんが、公式ページからは「バランス力」「運動能力」「回復力」「集中力」を向上させる働きを期待できると読み取る事ができます。
人気商品
バンデル クロス ネックレス
シンプルながらエッジの効いたトップが印象的なシリコンネックレスで、スポーツシーン向きのデザインだと思います。
素材にはシリコンが採用されていますが、シリコンネックレスとしては珍しく、サイズを40、45、50cmから選ぶ事ができ、カラーバリエーションも非常に豊富。
値段も5,000円以内で買えるのでバンデルネックレスのお試しには最適なエントリーモデルです。
バンデル チタン ラバー ネックレス
トップ部分にチタン、紐部分にはTPR(ThermoPlastic Rubber:熱可塑性ゴム(ラバー))を採用したネックレスです。
スポーツシーン、日常使いのどちらにも使えるシンプルかつおとなしすぎないデザインが人気で、カラーバリエーションも豊富です。
トップ部分の両サイドがマグネットになっていて、ワンタッチで着脱可能な点は便利ですが、このタイプのネックレスはメーカーを問わずいつの間にか外れている、という事があるので着用時は外れないように注意しましょう。
マルタカ・パルス
マルタカ・パルスは1964年設立の健康関連機器企業。磁気治療器や交流磁気治療器、美容関連機器等の健康機器・医療機器を製造・販売しています。
社長が元甲子園球児だったからか全日本女子野球連盟の協賛社に名を連ねるなど、野球関係のイベントに積極的に協力しています。
天然鉱石が持つ固有の振動と永久磁石から発する振動を加える事で振動エネルギー(振動磁場共鳴エネルギー)が活発に活動し、「血液循環促進」「筋緊張の緩和」「肩こりの軽減」「バランス保持の向上」等が望めるようです。
このあたりの説明はやや難しいですが、大学教授と共同で効果を検証するなど、ある程度説得力のある内容となっています。
スポーツネックレスを販売しているメーカーには適当な理屈をつけて検証もせずに商品を販売しているところが多々あるので、効果を検証し発表している点は評価できます。
人気商品
V×4パワーネックレスネオプラス
永久磁石で最も強力なネオジム磁石を採用した管理医療機器の磁気ネックレス。
医療機器認証を受けているので「着用部位のコリや血行の改善」を謳う事ができます。
サイズはS(42cm)、M(47cm)、L(52cm)の3種類で、素材は紐部分がシリコーン、留め具部分はアルミ。
アルミの酸化還元電位は低いですが不動態皮膜を形成しやすいので、チタンと同じく金属アレルギーを起こしにくい素材と言われています。
COREFORCE(コアフォース)
COREFORCE(コアフォース)は埼玉県久喜市にある野菜の産直販売企業「株式会社ゆうき」が平成28年に設立したブランドです。
「1秒で身につく体幹バランス」「1秒で体幹が身につくアクセサリー」というキャッチフレーズとともにゴルフの中嶋常幸氏やプロ野球選手、プロバスケットボール選手を前面に押し出したプロモーションを行っています。
コアフォース製品には「コアフォースパウダー」という天然の希少原料に特殊な加工を施した特殊原料が用いられております。
このパウダーが持つ固有の振動数のレゾナンス効果(共鳴作用)により、カラダ本来のパフォーマンスを引き出します。
引き出された体幹の働きにより、バランス力、パワー柔軟性の全てにおいて自身のレベルを飛躍的にアップすることができます。
ホームページに書かれている素材を見ると、「サマコバ磁石」「フェライト磁石」と記載されていたので磁気ネックレスの括りに入ると思いましたが、医療機器認証番号は記載されていなかったので管理医療機器ではないと思われます。
商品ページにはネックレス内部に装着用の磁石を用いていると記載されていたので、ファイテンのミラーボールネックレスのように着脱用の磁石としてのみの採用かもしれません。
まだ新しいブランドなので現時点では良いとも悪いとも言えませんが、高価格帯の商品が多い(30,000円くらいから200,000円くらいまで)ので気軽に試すという事は難しいかもしれませんね。
人気商品
コアフォースループブラック
ブランド全体の中では価格が低めで、比較的購入しやすいのがこのコアフォースループブラックです。
50cmと70cmの2サイズがありますが、メーカーは男性がネックレスとして利用する場合には外れ防止の為に70cmの方を購入する事を推奨しています(特に首周りが太めの人は接着領域が極端に短くなってしまうから)。
素材はコアフォースパーツ、ヘマタイト、サマコバ磁石、フェライト磁石となっています。
金属部分はステンレス(SUS)316を使用しているようですが、これは一般的に「サージカルステンレス」と呼ばれる耐食性の高いステンレスです。
金属アレルギーが現われにくい金属なので、このSUS316やSUS316から炭素を減らし不動態皮膜修復能力を持つモリブデンを加えた、より耐食性の高いSUS316Lがアクセサリーに使われる事が増えてきています。
まとめ
今回紹介したメーカーや商品以外にも体幹やバランスの向上を謳ったスポーツネックレスはたくさんあります。
このジャンルのスポーツネックレスが賑わいだせば、ファイテンやコラントッテといった大手健康ネックレスメーカーも開発に乗り出すかもしれません。
体幹やバランスの向上というのはなかなか目に見えず評価も難しいので、個人的にはあまり効果を期待しすぎずにネックレスのデザインや価格等を第一に考えて選ぶのがおすすめですね。
スポーツネックレスというのはアスリートのパフォーマンスを大幅に向上させるような力はないけれど、気持ちを盛り上げるなど、メンタル面では大きな支えになるというのが僕の持論です。
この記事を参考にしてお気に入りの一本を見つけてくれれば幸いです。