株式会社テイコク製薬社とサンフォード株式会社の共同開発ブランド『AXF(アクセフ)』。
昨年に引き続き今年2019年も多くのアスリートに着用されている人気ネックレスです。今年は野球やバドミントンに続いて卓球やゴルフ界隈も賑わせているみたいですね。
さて、AXFは東京都市大学と連携して「ミネラル結晶体研究センター」という研究室を開設し、AXFの根幹成分である「イフミック:集積機能性ミネラル結晶体(Integrated Functional Mineral Crystal)」の詳細な物性を物理科学的な手法を用いて評価しているのですが、先日東京都市大学世田谷キャンパスにおいて、イフミックが生体に与える生理活性効果の多角的検証結果が発表されました。
詳しい内容はベースボール・マガジン社WEBのサイトで紹介されています。執筆担当が編集部ではなく「ベースボール・マガジン社広告担当」となっているので広告の色合いが強い記事ですが画像も載っているので分かりやすいかと思います。
一酸化窒素による様々な効果
IFMC.が練り込まれた生地を体の上半身に乗せ、超音波エコーによる動脈血管直径と血流速を計測した結果、動脈血管の直径が6㎜から9㎜に大きくなったという。血流の速度は変わらなかったが、血管が太くなったことで血流が促進されたようだ。
なぜ、このような現象が起こるのかを研究した結果、微量の一酸化窒素が産出され、血管に好影響を与えていることが判明した。
簡単にまとめると、イフミックを含浸した素材に触れる事で「一酸化窒素」が産出され、一酸化窒素の血管拡張効果により血管が太くなって血流が促進されたという事のようです。
イフミックの開発のきっかけは、温泉に入って得られる効果を日常生活でも得られるように温泉の素になる鉱物からミネラルを抽出しようと考えた事らしいですが、確かに温泉に入る事で一酸化窒素が増えるので再現できているという事になりますね。
温泉に入ると、血管を若返らせるといわれる物質、一酸化窒素(NO)が増えます。温泉の温熱効果と相まって、血管が広がって血流がよくなり、動脈硬化を引き起こす原因といわれる高血圧の予防に効果があるということまで分かってきました。
一酸化窒素(NO)は窒素と酸素からなる無機化合物で血管拡張作用や血小板凝集抑制作用等を持ち、1998年には一酸化窒素のシグナル機能の発見によってフェリド・ムラド、ロバート・ファーチゴット、ルイ・イグナロの三名がノーベル生理学・医学賞を授与されています。
イフミックの「バランス・体幹向上効果」については一酸化窒素がどのように影響しているのかは分かりませんが、「体温上昇効果」や「鎮痛効果」等は一酸化窒素による血管拡張効果によるものだと思われます。
体温上昇は説明するまでもなく血管が拡張されて血流が促進された事によるもの。鎮痛効果についてもキニンやブラジキニンといった発痛物質を血流促進によって流し痛みを緩和するという仕組みなのでしょうか。
その他、以前からイフミックに期待される効果として発毛・育毛やED等のアンチエイジング等が挙げられていましたが、これらについても一酸化窒素による恩恵と考えられます。
発毛剤で有名な「ミノキシジル」の働きも一酸化窒素が大きく関わっていますし、勃起機能不全の治療薬「バイアグラ(クエン酸シルデナフィル)」も同様です。
「男性性機能のキーワードとして覚えておいていただきたいのは、NO(エヌオー:一酸化窒素)です」と永井敦氏は講演を切り出した。NOとは、性的刺激を介して生じ、勃起を生じさせるシグナル分子だ。
講演会の後半には福島大学陸上競技部の川本和久監督による商品の効能についての発表も行われ、イフミック入りのウェアを着た時の方が100m走で良いタイムが出た事(陸上)、ロングキックの球速、飛距離、ドリブルタイム、スラローム走で良い数値が出た事(サッカー)等の実験結果が得られた事が報告されました。
実験は二重盲検法によって行われているのかなどの細かい部分は記事には書かれていなかったので、個人的には効果を決定付ける事はできません。なぜならこのような実験の場合プラセボ効果や観察者バイアスの影響が大きいからです。
今後もっとサンプル数が増え、実験方法も厳格なものになればより正確な効果が証明される事でしょう。
補筆…2020年8月に「天然ミネラル由来の新しいナノマテリアル、IFMCは生体内に摂取させることなく血管内一酸化窒素濃度を増大させる : COVID-19とそれ以降への示唆」というタイトルの論文を発表。流行中の新型コロナウイルスの話を絡めながらIFMCの効果を検証した内容となっています。
まとめ
今回の研究発表によりイフミックの効果の多くを生み出しているのは一酸化窒素という事が分かったので、それに対する個人的な見解などを書いてみました。
信憑性についてはまだ確実とはいえませんが、効果を謳うならなぜその効果が発現するのかの理屈付けをしなければいけません。
スポーツネックレスが胡散臭いとか怪しいとか否定的な目で見られるのは証明の部分を怠っているからです。現状「買って着けてくれれば効果は分かる」という考え方をしているメーカーやブランドが多すぎると僕は感じます。
そういう面で、AXFはヒト・モノ・カネを費やして説得力のある商品販売をしようとしているところには好感が持てますね。
ただし、日本には薬機法という法律があるので効果や効能を謳う場合は表現に注意する必要があるでしょう。
正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」。
医薬品や医療機器、医薬部外品、化粧品以外の製品は、人若しくは動物に対して○○に効くや○○が治る等の効果効能を標榜してはいけないという法律。
⇒医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律-e-Gov
薬機法や景品表示法に配慮しつつも、正確な情報を伝え、安全で安心な商品を長く消費者に届けてほしいですね。