AXF(アクセフ)のスポーツネックレスといえば、「IFMC.(イフミック)」を含浸させた製品として多くのプロ野球選手やアスリートに愛用されてきました。
ところが、2025年6月にAXFブランドを巡る大きな動きがありました。
なんと、現在販売されているAXF製品にはIFMC.は使用されていません。
この記事では、AXFブランドに何が起きたのか、そして現在の製品はどうなっているのかを時系列で整理して解説します。
AXFブランドを巡る企業間紛争の経緯
2022年8月:株式会社AXFの設立
もともとAXFは、テイコク製薬社とアパレルメーカーのサンフォード株式会社による共同開発ブランドでした。
ところが2022年8月、「株式会社AXF」という新会社が設立されます。所在地は岐阜県羽島市、代表は吉田國廣氏。これはサンフォード側が独立してAXFブランドを引き継ぐ形だったようです。
2024年2月:株式会社AXFがテイコク製薬社を提訴
株式会社AXFは、IFMC.の特許実施許諾契約の終了に関連して、テイコク製薬社および株式会社テイコク(畠山兼一郎氏)に対して民事裁判を大阪地方裁判所に提起しました。
詳細な争点は公開されていませんが、ライセンス契約の終了を巡る紛争だったと考えられます。
2025年6月18日:和解成立
2025年6月18日、この訴訟は和解により終了しました。
和解内容は「株式会社テイコクが解決金3500万円を株式会社AXFに支払う」というもの。和解内容の詳細は公開されていないため、どちらの主張がどの程度認められたのかは分かりません。
株式会社AXFは公式サイトで以下のように発表しています。
なお、現在製造されている当社商品には「IFMC.」は使用されておらず、本件和解によるAXFブランドの顧客の皆様及び取引先の皆様への影響はございません。
つまり、現行のAXF製品からはIFMC.は完全に排除されているという事です。
IFMC.に代わる新技術「温泉藻類RG92」とは?
では、IFMC.の代わりに何が採用されたのかというと、「温泉藻類RG92」という成分です。
RG92の概要
RG92は、大分県別府温泉で発見された極限環境微生物(微細藻類)から抽出された成分で、株式会社SARABiO温泉微生物研究所が開発・特許取得しています(特許第5676702号)。
「RG92」という名称は「Regeneration Gateway 92(92番目に発見した再生への道)」の略との事。
90℃にも達する高温の源泉に生息する、直径約5μmの緑色で丸い形をした微生物で、広島大学との共同研究により抗炎症作用が確認されています。
IFMC.とRG92の違い
ここで気になるのは、IFMC.とRG92で何が違うのかという点です。
| 項目 | IFMC.(イフミック) | RG92(温泉藻類) |
|---|---|---|
| 開発元 | テイコク製薬社 | SARABiO温泉微生物研究所 |
| 主な作用機序 | 一酸化窒素による血流促進 | 抗炎症作用 |
| 特許 | あり(第6557442号) | あり(第5676702号) |
| 研究機関 | 東京都市大学との共同研究 | 広島大学、国立長寿医療研究センターとの共同研究 |
IFMC.が「一酸化窒素を産出して血管を拡張、血流を促進する」という作用を謳っていたのに対し、RG92は「抗炎症作用、抗糖化作用、抗酸化作用、免疫力向上」を謳っています。
つまり、同じ「AXF」というブランド名でも、中身の技術と期待される効果のメカニズムが全く異なるという事になります。
現在の製品ラインナップと見分け方
新製品(RG92採用)
現在、株式会社AXFが販売している製品には「AXF × RG92」と明記されています。
主な製品としては以下のようなものがあります。
- AXF-900 GOLDシリコンネックレス:アルミパーツをゴールドアルマイト処理したフラッグシップモデル
- AXF-303 チューニングバンド:カラーバンドをリニューアルした製品
公式サイトでは「AXFネックレスのシリコーン部には、独自加工技術によって『RG92』を混入しております」と説明されています。
旧製品(IFMC.採用)の流通状況
一方で、市場には旧来のIFMC.含有製品もまだ流通しています。
一部の販売店では「アクセフブランドがイフミックの供給終了したため、在庫処分大特価」として販売されているケースも見られます。
また、テイコク製薬社のIFMC.正規販売店では、引き続きAXFブランド名でIFMC.製品を扱っているところもあるようです。
購入時の見分け方
| 表記 | 採用技術 | 販売元 |
|---|---|---|
| 「AXF × RG92」と明記 | 温泉藻類RG92 | 株式会社AXF |
| 「IFMC.」「イフミック」の記載 | IFMC. | テイコク製薬社系 or 旧在庫 |
購入の際は製品パッケージや説明をよく確認する事をおすすめします。
RG92の効果について率直な感想
RG92について調べてみると、SARABiO温泉微生物研究所は広島大学や国立長寿医療研究センターとの共同研究を行っており、細胞試験レベルでは抗炎症作用などのデータを出しています。
ただし、正直に言うと気になる点もあります。
研究の多くは「塗布」や「摂取」が前提
RG92の臨床試験は主に「ローションを塗布」したり「エキスを摂取」した場合のものです。
シリコンに練り込んで首に装着するだけで同等の効果があるのかどうかは、僕が調べた限りでは明確なエビデンスは見つかりませんでした。
ただし、この疑問はRG92に限った話ではありません。
旧来のIFMC.も「繊維に含浸させて身につけるだけで効果がある」という点では同様であり、経皮吸収なしにどう作用するのかという科学的メカニズムは明確ではありませんでした。
つまり、IFMC.もRG92も「身につけるだけで効く」という部分については、どちらも同程度にエビデンスが弱いと言えます。
IFMC.とは作用機序が異なる
IFMC.を気に入っていた人が、同じ「AXF」だと思って新製品を買ったら、期待していた効果(血流促進による体幹安定など)とは別のメカニズムの製品だった、という事が起こりえます。
もちろん、RG92にはRG92の良さがあるのかもしれませんし、プラセボ効果も含めて本人が良いと感じるなら価値はあると思います。ただ、消費者への説明という点では、もう少し丁寧な周知があっても良いのではないかな、というのが僕の率直な感想です。
まとめ
- AXFブランドはテイコク製薬社との訴訟を経て、2025年6月に和解が成立
- 現在のAXF製品にはIFMC.は使用されておらず、代わりに「温泉藻類RG92」を採用
- 市場には旧IFMC.製品と新RG92製品が混在しているので、購入時は表記を確認
- 同じブランド名でも中身の技術・作用機序が全く異なるので注意が必要
AXFのネックレスを愛用していた方、これから購入を検討している方は、この変更を踏まえた上で製品選びをしてみてください。
■参考リンク
・AXF公式サイト
・SARABiO温泉微生物研究所



