『伊藤達彦(いとう たつひこ)』選手は1998年生まれの陸上選手(専門は長距離走)。2021年現在の所属はHondaです。
中学時代はサッカー部に所属しており、進学した静岡県立浜松商業高校で本格的に陸上を開始。サッカー部時代からランニング系のメニューは毎回トップだったそうです。
高校時代の5000メートル持ちタイムは14分後半で全国レベルの選手ではありませんでしたが、東京国際大学に入学し大志田秀次監督の指導を受けたことで才能が開花。
しかし、元々才能がなかったわけではなく高校時代から伸びしろは十分にあったそうです。
伊藤選手は真面目で頑張りすぎる性格なのでレースに出ると常に100%を求める走りをしていましたが、大学に入ってレースでの力の出し方や練習の質との関係などを工夫し“抜く時は抜く、やるときはやる”という強弱の付け方を学びました。
その後、2019年の日本学生ハーフで3位に入賞したことで、これまでは勝てないと思っていたような強い選手にも勝てるチャンスがあるんだと思い、より練習に身が入るようになったそうです。伊藤選手曰くこのレースがターニングポイントとのこと。
そこからは持てる才能を遺憾なく発揮し、一気に強豪・東京国際でエースにまで成長しました。
駅伝ファンだけでなく一般の人々にも“伊藤達彦”の名を浸透させたのは第96回箱根駅伝でしょう。
伊藤選手は各校のエースが名を連ねる花の2区で東洋大のエース・相澤晃選手と終盤までデッドヒートを繰り広げました。
相澤選手は誰もが認める世代ナンバーワンランナーでその実力はすでに大学レベルではないと言われるほど。
僕はそんな化物相手に苦悶の表情を浮かべながらも一歩も引かず食い下がる伊藤選手を見て一気にファンになってしまいました。
長距離走の選手は皆並外れた精神力を持っていますがその中でも伊藤選手の精神面のタフさは人外レベルだなと感服し、自分もこんな強い人間になりたいと思ったものです。
大学卒業後は数多くの有力ランナーを抱えるHondaに入社し、実業団でもエースの風格を漂わせ始めています。
2020年10月に行われた第104回日本選手権10000メートルで東京五輪参加標準記録を突破し、翌年5月の第105回日本選手権では27分33秒31で優勝を飾りついに東京五輪代表内定を勝ち取りました。
それでは、伊藤達彦選手愛用のスポーツネックレスを紹介したいと思います。
伊藤達彦着用ネックレス
ファイテン チタン水晶ネックレス
上画像の伊藤選手が身に着けている数珠風ネックレスは有名メーカー「ファイテン社」の『チタン水晶ネックレス』です。
現在はコラントッテやAXF等の人気メーカーが数多く存在しますが、陸上競技の分野においてはまだまだファイテンが強いですね。ネックレスだけでなくのど付近に丸いパワーテープを貼っている選手もたくさんいます。
ファイテンアイテムが陸上競技の選手に人気の理由についてですが、メーカーの方曰く、陸上競技の選手は他競技の選手に比べて特に自分の体の違和感に敏感で意識が高いからとのこと。
個人的には学生時代からファイテンのサポートを受けている選手が多いことも影響していると思います。2021年時点でファイテンがサポートしている大学は11校。夏は一緒に合宿地に行って選手たちをサポートすることもあるそうです。
それでは水晶ネックレスの簡単な説明を。
このネックレスは一般的な水晶ネックレスと違ってファイテン独自の電気加工が施されおり、それによって様々な効果が生み出されます。
ファイテンの独自技術「アクアチタン」を含浸した「RAKUWAネックレスシリーズ」が登場するまで、ファイテン(当時はファイルド社)の主力は水晶ネックレスでした。
その後「アクアチタン」が開発されたことで値段の安い「RAKUWAネックレスシリーズ」を購入する人が増えましたが、数年前から美しいデザインや素材的(水晶とチタン)に金属アレルギーの心配が少ない水晶ネックレスの人気が再燃し陸上競技の選手を中心に水晶ネックレスの着用者が増えています。
ネックレスの効果(メーカーは薬機法に配慮してサポート力と呼ぶ)はアクアチタンX30相当とそれほど高くはありません。
しかし、アスリートの多くは勝負師なので、古くから「邪気払いの石」「幸運を招く石」として知られている霊石・水晶自体の力を求めて着用する選手も数多くいるようです。
「チタン水晶ネックレス」は水晶の粒の大きさが3mmと5mm、サイズは40cmと50cmが販売されています。基本的には粒が大きいもの、サイズが長いものほど高価です。
水晶にチタンをコーティングしていない通常の「水晶ネックレス」も販売されています。遠目では分かりづらいので、もしかしたら伊藤選手が着用しているのはこちらの可能性もあります。※廃盤になったキュービックタイプを着用している事もあります。
RETO (レト) SPORTS NECKLACE
大学時代はマラソンランナーである神野大地選手が立ち上げたブランド「RETO(レト)」の『RETO SPORTS NECKLACE(レト スポーツネックレス)』を着用していたことも。
RETOのネックレスについては神野大地選手の記事で詳しく説明しているので興味のある方は見てみてください。
まとめ
以上が”不屈のランナー”伊藤達彦選手の愛用スポーツネックレスです。
伊藤選手は大学時代の自身の成長について、1年生の夏合宿から一度も怪我をせず地道にトレーニングをこなせたことが大きいと語っていました。
これはどの競技にも言えることですが、良い選手は怪我をあまりしないイメージがあります。才能ある選手でも怪我が多ければ練習の継続ができず力を発揮することはできません。だからこそ日頃のケアが重要です。
そんな怪我に強い伊藤選手ですが、元日のニューイヤー駅伝のレース中に両足大腿骨疲労骨折という大怪我を負ってしまいました。
4か月後に日本選手権が迫っているという大事な時期に歩くことすらままならない状況になれば僕も含めほとんどの人が諦めてしまうと思います。
しかし、伊藤選手は不屈の精神で地道な取り組みを続けて怪我を治しレース本番までにきっちり仕上げてきました。このタフさははっきり言って異常です。
伊藤選手がオリンピックで出場予定の10000メートル競走はエチオピアやケニアといったアフリカ勢の力が圧倒的で正直メダルを獲得するのは難しいと思います(五輪内定者ではトップの相澤選手のベストが27分18秒75、世界ではウガンダのジョシュア・チェプテゲイのベストが26分11秒00と1分以上の差がある)。
それでも伊藤選手にはベストの走りをしてもらってライバルである相澤選手に勝ち自己ベストを更新してもらいたいですね。
参考にさせていただいた記事
⇒Honda陸上競技部 選手・スタッフ紹介
⇒[史上最速世代が語る箱根路 vol.3]伊藤達彦「正々堂々と相澤に勝ちたかった」
⇒駅伝で勝負するために見るポイント、無名選手が育つ理由 大志田監督×榎木監督対談4